- 文を書くことに苦手意識があり、なんとなくでこれまで書いてきた人
- ブロガーやコピーライターなど、文での表現を生業にしている人
押さえておきたいと思った点を以下に引用させていただきました。詳しく知りたいと思った方は本書をお手に取ってみてください!
本書の概要
趣旨
『読み手の想像力を刺激して、感情を揺さぶり、行動を誘導する文章術』
著者はメンタリストのDaiGoさん。
人の心を読み、操る技術“メンタリズム”を駆使し、あらゆる処世術を書籍化しています。
本書は読み手を思うままに行動させたい人のための本です。美文のコツは書かれていませんが、相手に読まれる文章、相手の心を動かす言葉選び、相手を行動に導くための技術についてはふんだんに書かれています。
「読む→言葉に反応する→想像する→行動を起こす」
このフローを起こし、相手を思うがままに動かせる文章を書けるようになりましょう!
目次
- 第1章:文章が持つ力は∞(無限大)
- 第2章:「書かない」3原則で人を操る
- 第3章:人を動かす7つの引き金で、何を書けばいいかもう悩まない
- 第4章:あとは、5つのテクニックに従って書くだけ
総ページ数:202ページ
本書の要所
人を動かす文章を書く3ステップ
- あれこれ書かない
- きれいに書かない
- 自分で書かない
7つのトリガーから文章の内容を選ぶ。
ブレない説得力のある文章を、素早く悩まず書ける。
5つのテクニックを意識するだけで、メールやLINEなどでも人を動かせようになる。
「書かない」3原則とは
①あれこれ書かない
あえて短い文章で書くことで、相手の想像力を利用して、行動を導く。
情報量を絞り、ある程度の「隙」や「余白」を残して、読み手が都合のいいように想像できる文章を書くようにしましょう。
まず書く際に考えるのは
- 自分が何を伝えたいか
- 読み手にどんな行動をして欲しいか
その行動をしてもらうことをゴールとして、1文に込めるのです。
読み手に合わせて情報量を調整して、短いセンテンスで説明しすぎない文章を書くのがポイントです。
② きれいに書かない
まじめに書くほどこちらの気持ちがこもらず「きれいな文章=表面的な文章」となってしまいます。
書くべきなのはきれいな文章ではなく、表現が稚拙だったり、言葉選びが洗練されていなかったりしても、個人的な思いや背景が盛り込まれた文章になります。
「人は“論理”ではなく“感情”で動く」という心理法則があります。
“感情”によって行動したあと、その行動を正当化させるために“論理”を持ち寄るのです。
“感情”を込めるには「話しかけるように書くこと」がコツです。
- 先日オススメしてくださったお店でハンバーグを食べてきました。噂に違わず、おいしかったです。
- この間、教えていただいたお店、行ってきました。ナイフを入れた瞬間、肉汁がジュワっと溢れるハンバーグ、びっくりするおいしさでした。
③自分で書かない
書くべきことは「自分の心の中」にあるのではなく、「相手の心の中」にあるのです。
読み手の情報を集めて文面を練っているか否かで文章の仕上がりは大きく変わってきます。
例えば、30代前半の男性に向けたセールスレターを書くのであれば、彼らの興味や悩みを調べていきます。
彼らのライフスタイルは?会社でのストレスの度合いは?結婚?子どもの誕生?マイホーム?・・・
そういったさまざまな要素を組み合わせ、相手の心を読み解き、刺さる言葉を見つけ出すこと。
誰もが良いと思う文章ではなく、特定の読み手に刺さる文章を書くようにしましょう。
人を動かす7つのトリガーとは
読まれる文章には、うまさや美しさではなく、「あなたの欲求を満たすものがここにありますよ!」という強い求心力が備わっています。
その求心力の源は、「読み手の心の中に渦巻いている欲求」です。
読み手を観察し、文中にその欲求を満たすキーワード(トリガー)を埋め込むことがメンタリズム文章術の真骨頂となります。
①興味
今の時代、相手の関心事を知る手段はたくさんあります。
メールやSNS等で事前に情報を探り、そこを軸に文章を展開していきましょう。
- 今度、お暇なときに食事でもどうですか?
- 最近、石窯で焼くパリパリのナポリピザの店を見つけたんだけど、ご一緒にどうですか?
事前に相手がピザを食べたいのを知っていた場合、前者はただあなたの希望を伝えているだけですが、後者は相手の興味を満たしていることになります。
②ホンネとタテマエ
人には「こうあるべき(建前)」と「こうありたい(本音)」の気持ちがあります。
その間のギャップにこそ、相手の心を動かすエネルギーが詰まっています。
ポイントは「相手の本音を推測し、建前を取り払って認めること」。
相手の抱えている問題(建前)に共感した上で、本音に入り込み認めてあげるのです。
例えば、残業続きで疲れ果てている友達がいたとすると
- 建前:若手だから文句を言わず遅くまで働くべきだ
- 本音:仕事を断ってプライベートの時間が欲しい
そんな友達にLINEを送るなら
- 最近あれもこれも抱えてて大変だな。1つや2つ断ったって誰も文句言わないんじゃないか。よく頑張ってるよ。
- 俺も似た状況あったけど、若手だと上司に仕事ふられたら断れないしつらいよな。もういい加減、きっぱり断りたいところだと思うよ。
前者は本音にしか触れていませんが、後者のように建前に共感した上で本音に入り込んでいくことで、相手の気持ちに寄り添えています。
③悩み
悩みの9割は下記の「HARM」の4文字に集約され分類できると言われています。
- Health・・・健康、美容
- Ambition・・・夢、将来、キャリア
- Relation・・・人間関係、結婚、恋人、会社
- Money・・・お金
このHARMに「世代」を掛け合わせると、相手の悩みを予想することができます。
- すごくおいしいスイーツのお店を見つけたんだけど、一緒に行かない?ローカロリーだけど、自然な甘さで人気らしい。
20代女性はダイエットを意識している方が多いため、「H」を活用して食事に誘っています。
悩みを見抜き、解決策を文章で示せるようにしましょう。
④ソン・トク
デメリットをきちんと提示し、それを上回るメリットで文を締めくくりましょう。
正直にデメリットを伝えるソン・トク両方が揃った文章こそ、相手からの信頼を得ることができます。
ソン・トクの順番も重要で、最後にメリットをもってきて良いイメージで文を終わらせましょう。
- 値段はちょっと高く感じるかもしれませんが、画質が良くてサイズも小さく持ち運びに便利です。手ブレにも強く、運動会でお子さんを撮るのに最適です。
⑤みんな一緒
人は「みんながしていることは正しい」と思ってしまうものです。
決定に迷ったとき、未知の状況に陥ったとき、周囲の人たちを観察し、同じ行動を取ろうとします。
読み手が誰と一緒になりたいかという「憧れ」や、誰と一緒になっているかという「共通点」を観察することがポイントになります。
「自分だけ乗り遅れるかも」という気持ちが人を行動へ駆り立てることでしょう。
- ご存じですか?今、30代の人たち40%がすでに家を購入しています。
⑥認められたい
私たちは心の中に「承認欲求」という強い感情を持ち合わせています。
この強い感情のトリガーを引くには、文章の中に「相手を認める言い回し」を入れること。
「初めてです」「見方が変わりました」といったフレーズで、相手の承認欲求をくすぐりましょう。
- あんなに敷居の高いバーに行ったのは初めてでした。課長のご経験に基づいたアドバイスを聞くことができ、仕事に対するとらえ方が変わりました。またよろしくお願いします。
⑦あなただけの
特別感や希少性を感じるとその文章はものすごく貴重なものに感じられるはずです。
〇〇さんだけに、先に伝えておくね。部長にも報告していないから内密に。
5つのテクニックとは
実際に文章を書くにあたり、そのまま使える5つのテクニックをお伝えします。
言わば、相手の心を揺さぶる文章のテンプレートです。
①書き出しはポジティブに
明るい調子で書き始めると、それだけで相手の心をつかみ、その先を読みたいと思わせることができます。
冒頭の2・3行に「定型文をちょっとだけ明るいニュアンスにする」「共通の体験を簡単に添える」といった改善を加え、相手の心をつかんで離さないようにしましょう。
②なんども繰り返す
同じ「意味」と「感情」を文章の中で言葉を変えて繰り返していくことで、文章の説得力が大きく上がります。
ただし同じ言葉を3回以上使うことは相手が飽きてしまうためNGです。
大事なのは表現を変えて10回繰り返すこと。
言い換えや類語を駆使し、読み手の関心を引きながら説得力を高めていきましょう。
③話しかけるように書く
人は文章より会話の方が内容を覚えやすい傾向にあります。
やりとりの中にQ&Aがあり、内容がきちんと伝わりやすいためです。
コツは「読み手の疑問や反応を取り込んで書くこと」。
落語のように一人二役で下書きを書き、それを文章化してみましょう。
④上げて、下げて、また上げる
文章にメリハリをつけ、読み手の心を意図的に不安にさせたあと、ぐっと持ち上げることで、「ドラマ(感動)」をつくるテクニックです。
具体的な書き方は
現状で最も明るい話題
報告しなければならないマイナス情報、そしてその対処法と解決策
導き出される明るい結果
大切なのは、自分が大変なことをアピールするのではなく、相手の立場を想像してストーリーを展開することです。
⑤追伸をつける
あらゆる文章の中で人が最も読み、心に残るのは追伸部分だと言われています。
固い業務メールの後に、「追伸 例の件、お疲れ様でした」といった文が加わっているだけで、文章全体に温かみが生じます。
本文の狙いは「情報の伝達」で、追伸の狙いは「感情の交流」です。
追伸は、次回につながるこちらの願望を盛り込むような使い方をすると一層効果的です。
私の実践内容
説明し過ぎず、相手の想像力を活かす!
文章は人によって解釈の仕方が異なるので、出来る限り細かく説明を加えた方が良いと考えていました。
「相手の想像力を使って都合がいいように解釈してもらう」という発想は盲点でした。
綺麗な固い文章をやめ、感情を込めて話しかけるように!
仕事でのメールでは、失礼がないようにと定型文で固い文章を書いていました。
過去にいただいたメールを思い返してみると、余談が含まれているくらいのくだけた文章の方が記憶に残っています。
建前に共感してから、本音に入り込んでいく!
友達や彼女から悩み相談等を受けたとき、「建前の共感」部分が抜け落ちていて本音だけズバッと土足で入り込んでいました。
「なんで寄り添ってくれないの」って泣きながら怒られた記憶があります・・・
書き出しの定型文にプラスアルファを!
仕事メール冒頭は「お世話になっています」がほとんどですが、「毎度、お世話様です!」と書いてくる方がいてとても印象に残っています。
少しでも個性を出した自分の定型文をつくってみるのも面白いと思いました。
これまでなんとなくで書いていたため、意識するポイントが明確になって大変勉強になりました。文章術の本としてプロアマ問わずおすすめです!
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