- 物事を考えすぎて決断ができない優柔不断な人
- 学説を根拠とした幸福度の高い習慣を学びたい人

押さえておきたいと思った点を以下に引用させていただきました。詳しく知りたいと思った方は本書をお手に取ってみてください!
本書の概要
趣旨
「人間は考える葦である」。
「考える力」こそが私たち人間が他の生物と比べて特に優れている能力といえます。
ただ「考えすぎてしまう」とそれは様々な弊害を生み出すことになります。
迷って一歩を踏み出せず、思考もネガティブになり、場合によっては心身の病気にもつながってしまう・・・
現代はこれまでの時代と異なり、圧倒的に情報量が多く、「考えすぎてしまう」状況に陥りやすいです。
簡単にたくさんの情報が手に入るため、選択肢、考慮すべき事柄が多くなりすぎ、物事をシンプルに考えるのをより難しくしています。
実に多くの研究で、「考えすぎないほうが、行動力や幸福感が高まり、仕事や人生にいい影響がある」という結論が導き出されています。
「考えすぎないのに、うまくいく」。
本書では、そんな状態が訪れるような考え方を世界中の研究機関や研究者らの報告をもとに解説してくれています。
目次
- 第1章:考えすぎる理由・考えすぎない方法
- 第2章:行動を最適化する
- 第3章:不安から「冷静」へ
- 第4章:最高に集中する
- 第5章:態度だけはポジティブであるべき理由
- 第6章:脳、体、心のつながり
- 第7章:リセット&GO!
総ページ数:218ページ
本書の要所
心配事が現実化する確率はたった5%
「心配事の79%は実際には起こらず、16%の出来事は事前に準備を起こしていれば対処可能」。
ペンシルバニア大学のボルコヴェックらはこんな研究結果を発表しています。
適切な準備さえしておけば、ほとんどの心配事は問題ないということになります。
多くの人は起きた問題自体に対して悩んでいるのではなく、起きるかもわからない未来について考え続けてしまっているのです。
よりよく考えるためには「考えない時間」もまた重要
実験で「何か行動しているとき」よりも「ぼーっとしているとき」の方が脳の記憶に関する部位や価値判断に関する部位が活発に働いていることが明らかになっています。
「考えごとをする」など、何かを意識的にしているときは、その行動に関係のある脳の部位が活発になり、脳のエネルギーが一点に集まり、脳としてはあまり効率が良くない状態になります。
一方で、「ぼーっとしている状態」というのは、エネルギーが全体に分散され、たくさんの部位に有機的なつながりが生まれることで、新しい発想、いいアイデアが瞬間的にひらめきます。
集中する時間、リラックスする時間を交互に取り入れていくことが無意識と上手に付き合っていくことにつながり、よりよく考えることができるようになります。
たくさんの情報を集める、時間をかけることはかえって良くない選択につながる
時間をかけてよく考える人は「情報過多による混乱」を引き起こす場合があります。
時間があるからこそ細かな情報に意識がいってしまい、小さな欠点やマイナス要因が大きな問題のように見えてしまうのです。
重箱のすみをつつくような思考になり、不安が増長され、なかなか決断できない状況になります。
情報や時間を適度に制限し、ものごとをシンプルに、大局的に考えられるようにしましょう。
決断できず「宙ぶらりん」状態が一番ダメ
シカゴ大学の経済学者スティーブン・レヴィットは、「決めかねていることを実行するか否かをコイン投げの表裏で決めてもらい、その後の幸福度を追跡調査する」実験をしました。
すると、「コイン投げの結果は関係なく、悩みの解決に向かって何かしら行動を起こした人は半年後の幸福度が高い」という結果を得られたそうです。
つまり、決断においては「どちらに決めるか」ではなく「そもそも決められるかどうか」の方が重要だということになります。
例えば転職をすべきか悩んでいるのなら、「会社をやめる」という決断をした人も「やっぱりこのまま頑張ろう」と決断した人も、決断して進めている人なら幸せなのです。
考えすぎて停滞するのではなく、前進するための決断を大切にしましょう。
どう転んだって、結局どうにかできてしまうのが人間なのです。
幸福と健康を高めてくれるのはいい人間関係
追跡期間75年にわたるハーバード大学の研究で、「人間の幸福度や健康と直接的に関係があったのは、家柄・学歴・職業・年収といったことではなく、人間関係だった」という結果が得られました。
それも友人の人数は関係なく、たった一人でも心から信頼できる人がいるかどうかが重要のようです。
信頼できる人がそばにいる状況では、緊張がほどけて脳が健康に保たれ、心身の苦痛がやわらげられる効果がみられた一方、孤独を感じる人は病気になる確率が高く、寿命が短くなる傾向もみられました。
財産も恋愛も肩書もステータスというのは一瞬の間不安を遠ざけるものに過ぎず、本質的には問題を解決してくれないのです。
行動で思考を変える
「ネガティブな感情を無理やりポジティブに捉えようとするとかえってネガティブを深めてしまう」。
無理に矯正をすると脳が混乱し自己矛盾を起こし、自分のネガティブさを強調してしまう・・・
ネガティブな状態のときは、思考を変えようとはせず、自分を三人称に置き換えて、「あぁ彼は今ネガティブだなぁ」と客観的に認識し、思考をさっと別の方にもっていく習慣が大切になります。
ポジティブシンキングの第一歩は「状態を客観的に認識し、意識をそらす」ことです。
思考といった不安定なものをポジティブに変えようとするのではなく、「ポジティブな行動をすることで、思考が自然とポジティブに変わっていく」ものなのです。
日を決めて運動をする、毎朝読書する時間をつくるなど、ポジティブな行動を習慣化することで思考をポジティブに変えていきましょう。
私の実践内容
難問は一拍置いてから再度取り組む
頭を抱えていた仕事の問題が帰路の途中や自宅での入浴中にふと解決策が思い付くといった経験が幾度となくあります。
これは「ぼーっとしているときの方が脳は全体的に活発に働いている」ためだったのだと合点がいきました。
難しい問題は根を詰めて頭を悩ませるのではなく、一拍置いて無意識下で脳に頑張ってもらう方が良さそうです。
検討する時間/情報量に制限をかけ、ベターな選択をする
私は期限までの時間出来る限りの情報を集め、ベストな選択をしようとしがちです。
いろいろな選択肢を天秤にかけることになり、優柔不断に拍車をかけ、もういいやこれで…と結局投げやりで決めることもしばしばです。。
「〇時までに集めた情報で決める」「このサイトに載っているものから決める」のように情報に制限をかけて、その中のベターな選択をするようにします。
今決めるか、先延ばしにするなら期限を決める
上記のように、私は時間ギリギリまで良い選択肢を探し続けてしまうため、決められていない宙ぶらりんのタスクを多く抱えてしまう傾向にあります。
頭の中を未処理のタスクが反芻され、気持ちが晴れないときもよくあります。
そのため、今決めてしまうか、後に回すのならいつ決めるのかを決めてTo Do リストにいれるようにし、宙ぶらりん状態を出来る限りなくしていこうと思います。



これまで考えれば考えるほど良い選択に近づくと安易に思っていました。何事もやはりバランスですよね。優柔不断に悩んでいる方は是非本書を一度読んでみてください!
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