「人生は選択の連続である。選択しなければ行動できず、行動を起こさなければ何も得られない。」
本書で後悔しない選択術を身につけ、人生を幸せな方向に導きましょう!
概要
趣旨
人は1日に約70回も人生を左右する選択をしていると言われています。選択には朝の服装選びやランチの場所といった些細なものから、会社を辞めるか続けるか交際相手にプロポーズするか先延ばしにするかといった一生を左右する重要なものまで、様々な種類があります。
選択に囲まれた日々の中で、どのような選択が人生を幸せに導くのでしょうか。本書では、それは後悔しない選択だと書かれています。何事も選択する時点では、選択の先に何が起こるかはわからないため、私たちができる唯一のことは「選択したあの時はあれがベストであり、悔いはない」と思える後悔しない選択となるのです。
目次
- 第1章:選択の仕方にはスタイルがある
- 第2章:「後悔しない選択」をするための準備
- 第3章:「後悔しない選択」をするための習慣
- 第4章:選択力を鈍らせる5つの落とし穴
- 第5章:「後悔しない選択」をするトレーニング
要所
本書を読了し、心に残った部分を自分なりに嚙み砕いてまとめました。
1/6.3つの間違った認識を改める
状況ごとに合理的な判断ができれば、どんな選択をしようとも後悔は少なく済む。しかし、以下の間違った認識が合理的な判断の妨げになっている。
- 正しい選択がある
未来に何が起こるかわからない以上、ベターな選択を目指すべき - 今ある成功は過去の自分の選択結果である
成功はあらゆる要素が絡み合って生まれるものであり、過去のやり方は常に見直す必要がある - 選択肢が多ければ多いほど可能性が広がる
多すぎると人は選べなくなり、現状維持を選択しがちになる
2/6.合理的スタイルで意思決定する
選択の傾向は意思決定スタイルに強く影響される。以下の5つのスタイルを理解し、自分のタイプを「合理的スタイル」にすることで、選択による後悔を減らすことができる。
- 合理的スタイル
選択肢に対して論理的に分析・比較し、合理的に選択するタイプ。意思決定までに時間を要するが、条件が揃えばブレずに選択することができる。 - 直感的スタイル
数字やデータよりも自分の感覚を重視するタイプ。「ピンときた」など感情が大きく動いたときの意思決定は早いが逆に悩み始めると時間がかかる。 - 依存的スタイル
他人のアドバイスに耳を傾け、意思決定をしていくタイプ。成功者や経験者の意見を重視し、難しい選択になればなるほど意思決定そのものを人任せにしてしまう。 - 回避的スタイル
最終決定を先延ばしにしようとするタイプ。十分なデータが揃っていても選択すること自体を避けようとするため意思決定に時間がかかり、優柔不断になりがち。 - 自発的スタイル
選択するスピードが速く、決断力があるタイプ。ただし、データを比較するなどの合理的判断よりも決めること自体を重視するため、選択後に後悔するケースも。
3/6.完了主義/促進系完璧主義で選択結果に満足する
選択した結果をどう受け止めるかは、人生の満足度に大きく影響する。後悔しない選択をするための根幹は合理的に選択して、その結果に満足することであり、完了主義または促進系完璧主義のマインドが大切である。
- ◎完了主義
-
完璧でなくてもある程度の結果で満足できるタイプ。「足るを知る」マインドを持ち、人生の満足度が高い傾向にある。
- ✕完璧主義
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いつも最高の結果を求め続けるタイプ。選択に満足することが難しく、ストレスが溜まりやすい傾向にある。
さらに、完璧主義には以下の2種類が存在する。
- ◎促進系完璧主義
-
多くの選択肢を徹底的に調べ上げるものの、最終的にポジティブな面を見出そうとするタイプ。
- ✕評価系完璧主義
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「絶対に最高の選択肢があるはずだ」という前提に縛られ、ありとあらゆる可能性を検討しようとするタイプ。
4/6.後悔しない選択へ導く習慣を身につける
- 複数のサンプルを用意する
広い視野で選択するために対立する意見や視点を集め、自分の視点だけに偏らないようにする。 - 難しい選択は午前中に行う
人は選択や判断をする度に、「意思決定をする力」を消耗していると言われている。その力が使われていくと徐々に決断力が鈍るため、頭がリフレッシュされている午前中に難しい選択を行うべきである。
5/6.後悔する選択を招くバイアスに注意する
思い込みや思考の偏り「バイアス」は私たちの選択に深く関わっている。心に余裕がないときほど脳が楽をしようとしてバイアスをかけて非合理的に物事を判断するようになる。以下5つの代表的なバイアスに注意を払い、心理状態の影響を受けずに合理的な判断をできるようにする。
- 感情バイアス
不快な事実を認めようとせず、肯定的な意見ばかりを取り入れようとする - プロジェクションバイアス
現在の感情を基軸にして、未来に得られる幸福の量を見積もってしまう - サンクコストバイアス
既にかけたお金や時間の元をとるため、損な取り引きを続けてしまう - 正常性バイアス
多少の異常事態が起こっても、それを正常の範囲内ととらえて心の平静を保とうとする - メモリーバイアス
過去の歪められた記憶に基づいて未来の選択を行ってしまう
6/6.トーナメント方式で脳の負担を減らす
複数の選択肢から選ばなければならないとき、頭の中で1つ1つの選択肢を並べて比較検討するのは骨が折れる。また多くの選択肢がある場合、人は現状維持を選びがちになる。そこで、選択肢をランダムにグループ分けし、トーナメント方式で2つずつ比較し勝ち負けを決め、最終的に1つに絞り込んでいく方法をとると頭の中を整理しやすい。
実践
要所をまとめながら、具体的に実践する内容も追記しています。
- 3つの間違った認識を改める
「正しい選択がある」と思うから優柔不断な自分が生まれる。ベターだと思える選択をし、あとはその選択が正しくなるよう努めていく。 - 合理的スタイルで意思決定する
私は元々合理的に選択することが多い。そのため、選択に時間がかかり、選ぶための条件が揃わないといつまでも決めることができない。重要な選択はそれで良いが、日常の些細な選択などは直感的に速く決めていきたい。 - 完了主義/促進系完璧主義で選択結果に満足する
私は完璧主義の傾向がある。徹底的に調べずにはいられないタチではあるが、時間の制約を設けてその中でベターなものを選び満足できるようにしていく。 - 後悔しない選択へ導く習慣を身につける
難しい選択は気が重く後回しにしがちだが、午前中に優先的に取り組み、早めに片付けるようにする。 - 後悔する選択を招くバイアスに注意する
サンクコストバイアスにかかることが多い。仕事で身についたスキルが転職するともったいない…長らく付き合った彼女と最近上手くいっていない…本心は決まっているのにこれまでの時間が足をひっぱってしまう。過去に縛られず、今の気持ちに素直に行動する。 - トーナメント方式で脳の負担を減らす
トーナメント方式を積極的に活用し、2つの選択肢に注視することで合理的な選択をしていく。
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